子供の養育費とは,未成年の子供を養育する側に養育しない側が支払う,子育て費用のことです。
衣食住にかかる費用や教育費,医療費などを,大人になるまで支払います。
支払の期限をいつまでとするかは,一般的には子供が高校を卒業する18歳,成人する20歳か,大学卒業の22歳までとするのが通常です。
子供を養育する側は,毎月固定の金額をもらえばずいぶん助かると思います。
養育しない側にしても,養育費の支払は基本的に自分の子の生活費,教育費にあたるわけです。養育費の支払いを損だとは考えず,離婚前の子育て費用と同じ,当然の支払であると考えるようにして下さい。
養育費の支払いは長期に渡りますから,養育費の総額は大きなものになります。
例えば,よくある月額4万円の取決めで,22歳まで,大学入学費用や医療費などの臨時費用は別途取決めという養育費の支払い約束で考えると,子供がまだ5歳だとすれば,支払い期間17年+臨時費用となり,総額900万位になる計算です。
離婚の財産分与や慰謝料で900万支払われるケースはお金持ちや熟年離婚の場合以外はあまり聞きませんが,養育費というのは一般の若者夫婦であってもこれくらいの金額の話なのです(子育てはそれだけ大変なんだということですね。)。
ところが,2006年に実際に離婚をした世帯を国が調査したところ,養育費をもらっている割合は全体の19%しかないという結果でした。
相手に全く収入がないとか,こちらに沢山の収入があってお金に困っていないとか,養育費の請求をしない事情がある場合はともかく,おそらく多いのは離婚のときに何も取決めをせずにそれっきりというケースです。
離婚のときにお金の話をするのはストレスですし実際上難しさがあるので仕方がないところもあるのですが,子供のためにも,養育費は離婚のときに取決めをして下さい。
相手と話ができないときは弁護士に相談して下さい。
協議離婚の場合,養育費の金額は話し合いで決めます。
子供一人の場合で月額2万円〜4万円,二人の場合3万〜6万というケースが多いですが,話し合いで合意できる限り自由に金額を決めることができます。
ご自身と相手,子供の事情を踏まえて合意できる金額を導き出して下さい。
ただし,養育費には裁判所で使っている算定基準(下記)があります。
一般的にいえば,ご自身が養育費をもらう側ならば,算定基準未満で合意するメリットはありません。その他の事情から離婚調停はしたくないから早く協議離婚したいという場合以外,算定基準未満の合意はしないほうがよいでしょう。
(逆に,こちらが養育費を支払う側で,様々な事情から養育費の金額を減らしたいのだとすると,養育費を算定基準未満にするには協議離婚で合意するほかないのが通常ということになります。)
調停では話し合いで養育費の金額や支払い方法を決めます。夫婦で合意ができればそれに従います。
合意ができない場合,裁判所では過去に離婚をした夫婦の事例を元に,夫婦の収入を基準に子供の養育費をいくらにするか目安金額を算出できる下記一覧表を作成しており,この一覧表から算出された金額が調停で提示されることになるでしょう。
表の見方がわからない方は離婚相談の際に弁護士が説明いたします。
東京家庭裁判所の養育費の目安の一覧表
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